私は作った家具などはペンキなどで塗装し、色を付けるのが好きです。

家具の塗装をしようとしている友人に水性のペンキを勧めたところ、「え?油性の方が良いんじゃないの?」と訊かれました。最近は水性塗料全盛ですが、それでも、塗料と言えば油性の方が堅牢なイメージがあるかも知れませんね。

しかし、今では自動車さえも水性塗料で塗装されているんですよ。以前にも塗料については書いたのですが、色々書くことあって難しいです(汗)

一言でペンキと言っても、水性、油性、またそれぞれに素材の違いがあります。違いを知って、最適なものを選びましょう。

塗料の違いを知ろう

さて、塗料は3つの素材で出来ています。ひとつは塗料を液状にする溶剤、もうひとつは塗膜を作る樹脂、最後のひとつが色(顔料)です。溶剤は揮発してなくなりますが、樹脂は残って表面に塗膜を作り、そこに色が残ります。

この3つの組み合わせによって、特性の違った塗料が作られています。

溶剤の違い

水性塗料のメリット

溶剤に水を使用している塗料です。以前は塗料と言えばシンナー臭い=有機溶剤が使われている ものがほとんどでした。有機溶剤には、VOC(揮発性有機化合物)が含まれており、それが臭いの原因です。

そしてそれは大気汚染やシックハウス症候群の原因でもあります。有機溶剤を使用していない水性塗料は、環境にも人体にも優しいのです。また、引火の心配も不要です。

そして、水性なので、ペンキのハケも水で洗えます。手についても洗って落ちます。これはすごい便利なんです。薄めたい時も水で薄められますから、簡単。もちろん、一度完全に乾けば、水で解けることはありません。手軽で使いやすく、DIYに向いていると言えます。

水性塗料のデメリット

主に水分で出来ているので、乾燥するのに時間が掛かってしまいます。また、金属類には密着しにくいです。

油性塗料のメリット

油性塗料は、溶剤に有機溶剤を使用した歴史の古い塗料です。有機溶剤は樹脂同士を密着させ堅牢な塗膜を作る効果があります。そのため、一般的に油性塗料の方が水性塗料に比べて耐久性や耐候性が強くなります。

また、金属などにも密着しやすい、乾燥が早い、表面が綺麗などのメリットもあります。

油性塗料のデメリット

水性塗料のところで書いてしまいましたが、油性塗料には、人体に悪いなどデメリットも多いため、最近では高機能な水性塗料が開発されつつあります。

樹脂の違い

アクリル塗料

アクリル塗料は、アクリルという樹脂を使って塗膜を作る塗料です。溶剤が水だと水性、有機溶剤だと油性となります。アクリル樹脂は透明で、安価で、扱いやすい樹脂の為、色々な製品が作られています。

油性のアクリル塗料は耐候性・耐水性・耐油性・耐アルカリ性に優れており、万能の塗料です。

DIYでは家の中の家具などを作ることが多いと思うのですが、そんな時に最適なのは水性のアクリル塗料です。水性塗料としてホームセンターなどで一般向けに販売されている塗料の多くはアクリル塗料なので、皆さんも知らないうちにアクリル塗料を使っていると思います。

例えば、人気のターナー色彩 ミルクペイントもベースはアクリル。

また、ニスもアクリルがベースで作られているものが多いです。

アクリル塗料のメリット

使い方が簡単

アクリル塗料はそのままで塗れる(他のものを混ぜなくて良い)製品が多いため素人にも簡単です。他の樹脂を使用したものだと、硬化剤を入れる必要があったりします。プロ向けですね。

値段が安い

アクリルは塗料の中でも一番安価な部類に入るので、使用しやすいですね。

アクリル塗料のデメリット

塗膜が硬い

塗膜が硬いので、ヒビが入りやすいところがあります。

紫外線に弱い

劣化・退色しやすいので、屋内向けです。ですが値段が安いので、定期的に塗り直して使うならば良いかと思います。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、樹脂にウレタンを使用したものです。ウレタン塗料は弾性がありヒビ割れしにくい、耐候性があるなどのメリットがあり、自動車の塗料や外壁の塗料にも使用されています。

もちろん、ウレタン塗料にも水性・油性があります。

しかし、DIY向けのものはあまり販売されていないようです。DIYで一般的なのは下のようなウレタンニスかなと思います。

ウレタンニスは水に強いので、水回りで使用するものやテーブルトップに使用すると良いですよ。私もダイニングテーブルなどに使用しています。

ちなみに2液使うタイプ(塗装前に2つの液を混ぜ合わせる)もあり、この方が1液のものよりも耐久性があり、乾燥時間が短く、また金属などにもしっかり塗装出来るというメリットがあります。しかし素人には取り扱いが難しいようです。

エポキシ塗料

樹脂にエポキシを使用した塗料です。エポキシは最近人気のレジンの一種です。エポキシは2液型なので、素人には扱いにくいですが、変性エポキシ塗料であれば1液型なのでDIYにも使用しやすいです。

エポキシ塗料のメリット

耐薬性・耐水性に優れる

耐薬性・耐水性に優れている為、薬品や水の入る容器の内側の塗装などに用いられています。また、船や車など、サビを防ぐためにも使われています。

接着性に優れる

接着性に優れている為、金属などにも塗装しやすいです。なので、金属にアクリル塗料などを塗装する際の下地剤として使っても良いです。

こうしたメリットから、一般向けのエポキシ塗料としては、自宅の門扉などの補修用が多く販売されています。

私も、古い足踏みミシンをテーブルの脚にリメイクした際、ミシン脚が錆びないように使用しました。

エポキシ塗料のデメリット

塗りにくい

結構ねっとりしているので、気泡が入りやすいです。気温が低い時には固くて塗りにくい、気泡が立ちやすく消えにくいので温めて塗ったりと手間です。

紫外線に弱い

紫外線に弱く、黄色く変色・劣化しやすいので、屋外使用の場合は必ず上から耐光性のある塗料を塗る必要があります。

まとめ

さて、何にどれを使えば良いのかということですが、素人がDIYでやるならば、

1)屋内には水性アクリル塗料

2)屋内の水回りはウレタンニスなどで仕上げ

3)より耐久性を求められる場合(屋外など)は油性のもの

で対応すれば、大抵上手く行くんではないかな?と思います。

皆さんも塗装を楽しんで下さいね!

※このサイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。