クラッキングメディウムの使い方
古い家具など、塗装が劣化すると、このように塗装が剥がれてくることがあります。
この古びれた感じをわざと出したいなぁと思うとき、使えるのがこのクラッキングメディウムです。
私もこれまで度々使ってきました。
上のコーベルはわかりにくいでしょうか?下の時計の下側の方、ヒビが入っているように見えますが、これがクラッキングメディウムの効果ですね。
私のようにシャビーシックが好きな方にお勧めの塗料です。今回はこのクラッキングメディウムの使い方をご紹介します。
クラッキングメディウムの使い方
クラッキングメディウム、メディウムを塗ったら「乾ききる前に上の色を塗って下さい」とあるんですけど、そのタイミングが初めての場合はちょっと分かりづらいんですよね。
今回は、この端材でクラッキングメディウムの使い方をご案内します。これはすのこに使われるヒノキの端材ですね。
ちなみに、吸い込みの良い木材だとメディウムも吸い込んでしまうので注意です。
1)下の色を塗る
ひび割れから覗く下の色を塗ります。上の色とのコントラストの強い色が良いですね。似たような色同士だとひび割れが目立ちません。
ここではステインを使用しました。塗ったらよく乾かして下さい。
2)クラッキングメディウムを塗る
この写真ではちっとも分かりませんが、1の上にクラッキングメディウムを塗ったところです。
肉眼だと、ニスを塗ったように濡れてテラテラしているように見えます。吸い込みの良い材料の場合は、多めに塗った方が良いかも。
このメディウムが乾き切らないうちに、上の色を塗ります。乾きが十分でない場合は、触ると水に濡れた木を触ったような感触です。この状態で塗るのは早すぎます。
いい具合に乾くと、このニスのような光った感じがなくなり、触ると少し指先が引っ付くような感じになります。
そうなったら、上の色を塗ってもOKです!
3)上の色を塗る
上の色を塗ります。上の色を塗るときは、一筆で広範囲に塗るようにして下さい。なので、塗料は気持ちゆるめに溶き、ハケにたっぷりとつけてください。
下手な動画で見にくいんですが、こんな風にハケでズバッと一気に塗るのがコツです。あっという間にひび割れができるのが分かります。
と言うのも、途中でハケが止まって、継ぎ足しすると、その部分のひび割れが壊れてダマになってしまうんです。ひび割れが出来たら、乾くまでそっとしておかないといけません。
また、ハケの塗料が足りなくてかすれてしまったりすると、その部分だけ修正するのはちょっと難しいのです。
なかなか難しいんですが、とにかく一気にがっつり塗るのがポイントです!
4)完成!
どうしても塗料の溜まりができたりして、フラットに全体にクラックを作るのは難しいですね。広い面に塗るときはスポンジのハケなど使うと良いのかも知れません。
また、メディウムを薄く塗るとクラックが細かく、厚めに塗るとクラックが大きく出来る『気が』します。あくまで『気がする』だけなので、他の条件でも変わってくるかも知れませんが…。
クラッキングメディウムを使うときの注意点
クラッキング部分は、よく乾いてしまえば、触っても剥がれたりすることはなくしっかりしています。しかし、やはり通常の塗膜よりは脆いだろうと思います。
そしてクラッキングメディウムには、耐水性がありません。なので、先程のような、表面を保護したい場合や、トレーなど耐水性が欲しい場合は、油性のニスを上から塗る必要があります。
しかし、大抵の油性ニスは、クリアでも若干黄色っぽいので、淡い色の上に塗るとこんな感じで黄ばんでしまうのが難点です。
ちなみに左上の白い部分はクラッキングに失敗したところですね。
簡単なようでいてちょっと難しいクラッキングメディウム、私もまだ完璧に使いこなせているとは言えませんが、ひと味違う塗装をやりたい方にお勧めです。ぜひ試してみてください!